全国民主労働組合総連盟の組合員10人のうち、約9人が労使政による社会的交渉の推進に賛成しているというアンケート結果が出た。回答者の過半数は「今さら遅いので、できるだけ迅速に推進すべきだ」と答えた。
民主労総は9月29日、社会的交渉の推進に関する組合員アンケート調査の結果を発表した。 民主労総は、今年の第9回定期中央執行委員会で、人工知能(AI)の導入など産業の大転換期に主体的に対応するため、社会的交渉を推進することを決定し、これに対する組合員の意見を聞くため、8月21日から9月11日まで調査を実施した。 組合員4,863人が参加した。
社会的交渉の推進に関する見解を尋ねる質問に対し、「非常に賛成」が51.5%(2,503人)、「賛成」が36.3%(1,767人)となり、賛成の回答は87.8%に達した。 「反対」(3.4%)と「非常に反対」(1.9%)を合わせても5.3%にとどまった。
推進時期については、「できるだけ迅速に推進すべきだ」という回答が51.7%で最も多かった。 「中長期的な課題として位置づけ、まずは十分な議論を行う」は24.2%、「政権の姿勢などを踏まえ、十分な準備を経て推進する」は18.9%であり、「社会的条件が整う前の推進には反対」は3.6%だった。
既存の労使政による社会的交渉機関である経済社会労働委員会の最大の限界としては、「社会的合意の拘束力と履行の限界」(26.8%)と「政府による一方的な進行により、労働界が単なる脇役に転落」(25.3%)がほぼ同率で挙げられた。 続いて「民主労総の介入力の欠如」(16.0%)、 「非正規雇用・特殊雇用・プラットフォーム・5人未満の事業場などの要求を代弁できていないこと」(14.3%)、「多数決で決定する運営の構造的な限界」(11.5%)、「産業別労働組合の参加が保障されていないこと」(5.0%)の順だった。
それにもかかわらず、社会的交渉が必要な理由(複数回答)としては、「労働政策に対する民主労総の介入力を確保し、交渉と闘争を並行させることが効果的」という回答が56.7%で最も多かった。 「労使関係の新たな代替案であり、労働者の集団的な力を示す制度として活用可能」(42.9%)、「企業別労組体制を克服し、産業および全労働者の意思を代弁」(35.2%)がそれに続いた。
反対の理由としては、「結局、政府の政策を貫徹するための引き立て役にされるだろう」という懸念が37.8%で最も多かった。「資本とメディアの攻勢により、民主労総が孤立し、譲歩を強いられることになる」(26.5%)、 「政府の支配・介入・取り込み戦略に乗せられ、現場が改良化される」(16.5%)、「闘争力がさらに弱まる」(13.6%)がそれに続いた。
中央執行委員会が定めた推進原則のうち、最優先すべき原則としては「表決ではなく合意制への運営方式の変更」(42.1%)が筆頭に挙げられ、「産業別組合の直接参加の保障」(37.0%)、 「社会的交渉機関の名称変更」(19.1%)がそれに続いた。
社会的交渉機関で最も重要に取り上げるべき議題(複数回答)としては、「AI・産業転換に伴う労働者の参加および雇用・労働権の保護」が60.6%と圧倒的だった。 続いて「不平等・二極化の解消」(40.2%)、「非正規雇用問題の解決策の策定」(37.9%)、「労働組合活動の保障(タイムオフの拡大など)」(24.7%)、「社会安全網の強化」(22.5%)、 「産業別交渉と超企業交渉モデルの構築」(17.3%)、「気候危機への対応」(6.8%)の順であった。
[ai_process]

